中低域がすごい!東京サウンドのSMC‐4カートリッジ

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今の若い人は「東京サウンド」と聞いても、ピンと来ないと思いますが、50年前当時、秋葉原にはいろんな中小のオーディオメーカーがいっぱいあって「東京サウンド」もその一つでした。

私は北海道に住んでいたのでオーディオ製品は、主に通信販売で購入しておりました。今のようにインターネットなどがある時代ではありませんでした。そんな時代で東京サウンドの「SMC-4」MCカートリッジ(アナログレコードを聴く為の針が付いた物)との出会いは、昭和40年にオーディオを引退した方から、北海道稚内市で譲り受けました。それ以外にもその方からグレース、FR、サテン、デンオンなどのカートリッジを数知れず譲って頂き、今でも大変感謝しております。
私が最初の頃にステレオのアナログレコードを聞いていた時は、安物のMCトランスやヘッドアンプを使っていましたが、その時に出会った東京サウンドのSMC-4は、他のメーカーの「MCカートリッジよりもMCらしい」すごい音で、感銘を受けた記憶が深く残っています。

SMC-4の特長

東京サウンドのSMC‐4は丸針です。その他に針の形は、楕円針等が有ります。丸針はアナログレコードの溝との接触面が大きい為、低中域の音色がとても良いです。この針は針圧が2.5グラムがベストです。

また針圧が重いため、アームも質量の重たいミディアムタイプのアームを使用しするのがいいでしょう。そして古いステレオ録音のアナログレコードには最高にマッチして、特に中低域はオルトフォンやデッカに負けないものがあります。

東京サウンドのSMC-4を今後も大事に大事に使っていきます。

当時の私の記憶での価格感

50年前はオルトフォンより、東京サウンドのMCカートリッジの方が、針交換費用が安価でした。

オルトフォンの針交換費 18000円位
東京サウンドの針交換費 11000円位
※針はダイヤモンドでできています。安物はサファイヤとか合成ダイヤです。

昭和40年から私が愛用している針だったので、あるとき、とうとうこの針が摩耗して、交換することになりました。既にメーカーでは、実施していないため、その作業を日本で有名な宝石加工の京都のメーカーに丸針の交換を依頼しました。宝石メーカーなので詳細な針の調整のオーダーは無理です。その為スタンダードな針をオーダーしましたが、針交換まで約1ヶ月かかりました。

SMC-4にはどんなレコードがおすすめか?

1980年以前のステレオのアナログレコードを聴くのがいいでしょう。ちなみに私はジャズやクラッシックなどを聞いています。しかし何度も聞くと針が摩耗するので、普段は昔のクリスタルの針(サファイヤ)のカートリッジで、10インチのモノラルのアナログレコードを聴いています。
週に一回だけステレオのアナログLPレコードをSMC-4で聴いています。
難しいのは、ほったらかしにしておけばカンチレバー(針が付いている棒の部分)を支えるゴムが固くなる為、たまにレコードをかけないとカンチレバーの動きが固くなってダメになることがあります。大事にしすぎて使わないとダメになります。現在、所有しているオルトフォン、デッカのカートリッジも同様です。
ちなみにオルトフォンのSPU-GEとかはもっていましたけど、針交換費用が高いので今あるのは2,3個です。

東京サウンドがメジャーになり得なかった理由

東京サウンドが市場で大きくならなかったのは、当時のライバルのデンオン(DENON)の親会社が日本コロンビアで、NHKの納入業者に決まっていて、その影響もありオーディオ市場において日本コロンビアが大きくなり、東京サウンドが負けた敗因があるようです。そして東京サウンドはあまり宣伝をする会社ではなかったようです。

しかしそういった会社の姿勢が、今でも私のようなマニアを引きつけて止まないのです。

東京サウンドはその後?

2013年までは会社が存続していたようですが詳しいことはわかりません。少し前に聞いた話ですが東京サウンドの創業者は90歳以上でご存命だったとのこと。東京サウンドの創業者は良いカートリッジの音を世の中に広めたいという気概がある方です。

元社員が、もう一度その当時のMCカートリッジを復活させたいと思っているようですが、最近の様子はわかりません。

最後に

ちなみに、1965年録音のトリオ・ロス・パンチョスの年代物のアナログLPレコードを聞いたら、オルトフォンSPU-GEよりもこの東京サウンドSMC-4の方が、音が前に出てきます。
最近はハイレゾなどありますが、優しい音はやっぱりアナログレコードですね。

 

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コメント

  1. P&A より:

    ヒデ 様
    初めまして、今頃貴兄のブログを知りました。楽しみが増えて嬉しいです。
    東京サウンドのSMC-4の書き込みそうそうなんですと頷きながら拝見しました。
    私のカートリッジは、SMC-4Eです。多分楕円針タイプです。
    仰る通り、中低域から高域にかけてとても力強く太めの音質で、今は大変気に入っています。
    今はとは、何かといいますと、昔はサテンM-18BXやM-21Pが気に入いていて、これは保管して聴いておりませんでした。その後、サテンはグリスの関係からか使えなくなり、40年ぶりにSMC-4Eが復活したのです。
    私もJAZZ中心で楽しんでおりますが、デビュー当時のクールファイブのレコードが他のカートリッジにない前川さんの説得力のあるボーカルが聴けてびっくりしています。
    私の年齢も70歳なので、大切に愛用していきたいと存じます。
    また、楽しいお話をお聞かせ願います。

  2. ヤスシ より:

    私は70才の古希を迎えたばかりですが、定年退職後、比較的ゆっくりと昔集めたレコードを聴く機会を得ました。
    アンプにMCカートリッジ端子があるのを知り、数十年前に持っていたSMC-4があるのを思い出し、再び取り付けて聞いてみました。針圧2gでびびりもせず、よい音がよみがえりました。私はクラシックが中心ですが、弦や木管楽器の音が此のカートリッジでみずみずしく響き、聞き入っています。今までのMMカートリッジとは全く違い、驚きました。(昔はその差がはっきりわかりませんでした)
    今後、どのくらい持つのかわかりませんが最後まで愛用していきたいと思っています。

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