究極の真空管のVT4C(UV211)を使ったアンプを解説

トランジスタが普及するまでは、オーディオにおいて真空管アンプが主流でした。昭和38年くらいまでは真空管が製造されており各放送局、NTTの前身の電電公社、あるいは無線局などほとんど真空管が使われていました。

トランジスタが世に出てきて大量生産され各分野に広がると、日本の各メーカの大量の真空管が在庫になりましたが、私はそれを収集しており、船舶通信用の大出力管のような希少な物も4~5本所有するなど、様々な真空管を収集していたものです。

本日は真空管の規格の言葉を使うので、英数文字が多数でてきますがそれらは真空管の規格の名称です。

オーディオアンプの出力用真空管は2A3、6V6、KT88、300B等が一般的です。それらのプレート電圧は300V~500Vくらいです。今日お話するのは通信用に開発された大型管のVT4Cです。(アメリカ軍の番号ではVT4C、民間ではJAN(米軍規格)の211と言います。民生用211も有ります。)

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ターンテーブルはベルトドライブが一番!MF-102SB

今ではオーディオメーカーとして有名なTEAC(ティアック)は、昔はTEIC。つまり東京電子機器株式会社という名前の略称でした。本日はTEIC製のターンテーブル(昔はフォノモータと言いましたので以後、フォノモータで)のMF-102SB(マグネフロートプロフェッショナルベルトドライブターンテーブル)をご紹介いたします。※フォノモータについて詳しくはこちらのオーディオ単語で

フォノモータの方式には何種類か有りますが、これはベルトドライブ方式です。このフォノモーターの優れたところは、重たいプラッター(アナログレコードを載せ、実際に回る円盤部分)と太い軸によって、ずっしり安定した回転である事が特徴です。当時有名な外国製の高価なプレーヤーもほとんどこういったベルトドライブ式のフォノモーターでした。

もう一つの特徴はマグネフロートといって、磁石の力でプラッターを浮かせて、軸受けの負担を減らしスムーズな回転を得ているところです。

発売価格は当時、定価24800円でした。当時としてはそんなに高価でもなく入手しやすい価格でした。私は35年間愛用していました。

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ベサメ・ムーチョをジャズで聞くならバルネ・ウィランがいい!

べサメ・ムーチョという曲は1941年にメキシコの女性ピアニストが作曲した曲で「私にたくさんキスして」という意味になります。ビートルズがロック調にアレンジしてアルバムに収録した曲で有名でもありますが、この曲はジャズ好きにもよく知られている極めてポピュラーな曲です。

40年前当時はダンスホールでかかっている定番の曲で当時は若者同士で踊ったものです。

ベサメ・ムーチョが世に出るキッカケとなったのは1950年代の初代トリオ・ロス・パンチョスというグループによって歌われることでポピュラーになり圧倒的に有名になりました。べサメ・ムーチョは当時の多くのジャズミュージシャンに多大な影響を与えました。

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中低域がすごい!東京サウンドのSMC‐4カートリッジ

今の若い人は「東京サウンド」と聞いても、ピンと来ないと思いますが、50年前当時、秋葉原にはいろんな中小のオーディオメーカーがいっぱいあって「東京サウンド」もその一つでした。

私は北海道に住んでいたのでオーディオ製品は、主に通信販売で購入しておりました。今のようにインターネットなどがある時代ではありませんでした。そんな時代で東京サウンドの「SMC-4」MCカートリッジ(アナログレコードを聴く為の針が付いた物)との出会いは、昭和40年にオーディオを引退した方から、北海道稚内市で譲り受けました。それ以外にもその方からグレース、FR、サテン、デンオンなどのカートリッジを数知れず譲って頂き、今でも大変感謝しております。
私が最初の頃にステレオのアナログレコードを聞いていた時は、安物のMCトランスやヘッドアンプを使っていましたが、その時に出会った東京サウンドのSMC-4は、他のメーカーの「MCカートリッジよりもMCらしい」すごい音で、感銘を受けた記憶が深く残っています。

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