
べサメ・ムーチョという曲は1941年にメキシコの女性ピアニストが作曲した曲で「私にたくさんキスして」という意味になります。ビートルズがロック調にアレンジしてアルバムに収録した曲で有名でもありますが、この曲はジャズ好きにもよく知られている極めてポピュラーな曲です。
40年前当時はダンスホールでかかっている定番の曲で当時は若者同士で踊ったものです。
ベサメ・ムーチョが世に出るキッカケとなったのは1950年代の初代トリオ・ロス・パンチョスというグループによって歌われることでポピュラーになり圧倒的に有名になりました。べサメ・ムーチョは当時の多くのジャズミュージシャンに多大な影響を与えました。
トリオ・ロス・パンチョスのべサメ・ムーチョのレコード
近年はモダンジャズの世界では、ジャズのサックス奏者として有名なアートペッパーのタンパ盤(録音のメーカー)が有名です。アートペッパーのべサメ・ムーチョは悲しげな感じの演奏です。確かCDもでているはずです。
アートペッパーのべサメ・ムーチョのレコード
しかし私が入手したバルネウィランの曲を聞いたところ全くペッパーと異なり、力のある感じの音の出かたの雰囲気が最高です。1959年に録音されたものです。フランスのRCA盤バルネウィランのレコードは原音テープがないためCDは発売されていないと思います。※タンパ版やRCA盤とはレコードメーカーの事です。
当時べサメ・ムーチョを演奏した他の奏者はそれぞれ一流のベテランのミュージシャンですが、べサメ・ムーチョに関してはパルネウィランが最高のLPだと個人的に思っています。このLPは1950年代のレコードなのでモノラルです。モノラル盤はモノラル用のカートリッジで聞くのがいいでしょう。モノラルはステレオでは感じられない躍動感があります。
バルネウィランのべサメ・ムーチョのレコード
3年前に秋葉原の某中古レコード屋に行ったら、バルネウィランのべサメ・ムーチョのレコードが天井に相当高価な値札がついていましたがこれは馬鹿げた事だと個人的に思います。こういうレコードは秘蔵して売買の対象とするのではなく、世に出て一人でも多くのレコードファンに聞いてもらうべきものだと考えます。
私の家でこのバルネウィランのべサメ・ムーチョを、知り合いのレコード好きに聞いてもらったら感動してくれました。私自身ももちろん誇らしい気持ちですが、この数少ない希少の名盤を一人でも多くの人に届けて感動を共有したいのです。
ユーチューブで息子が撮影をしてくれたので、興味のある方に聞いて欲しいです。このような貴重なレコードをジャズファンにもっと聞いていただきたいです。
スマートフォンで簡単に撮影したもので、音声はそんなによくありませんが是非聞いてください。ちなみにこのバネルウィランのべサメ・ムーチョはLive版です。