ターンテーブルはベルトドライブが一番!MF-102SB

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今ではオーディオメーカーとして有名なTEAC(ティアック)は、昔はTEIC。つまり東京電子機器株式会社という名前の略称でした。本日はTEIC製のターンテーブル(昔はフォノモータと言いましたので以後、フォノモータで)のMF-102SB(マグネフロートプロフェッショナルベルトドライブターンテーブル)をご紹介いたします。※フォノモータについて詳しくはこちらのオーディオ単語で

フォノモータの方式には何種類か有りますが、これはベルトドライブ方式です。このフォノモーターの優れたところは、重たいプラッター(アナログレコードを載せ、実際に回る円盤部分)と太い軸によって、ずっしり安定した回転である事が特徴です。当時有名な外国製の高価なプレーヤーもほとんどこういったベルトドライブ式のフォノモーターでした。

もう一つの特徴はマグネフロートといって、磁石の力でプラッターを浮かせて、軸受けの負担を減らしスムーズな回転を得ているところです。

発売価格は当時、定価24800円でした。当時としてはそんなに高価でもなく入手しやすい価格でした。私は35年間愛用していました。

※下記は組み立てたMF-102SBの写真です。

MF⁻102SBの組み立てたもの

※MF⁻102SBの組み立てたもの

コロンビア(デンオン DENON)のDP⁻101との比較

同時期に発売されたコロンビアのDP-101と比べると、キャビネットからレコード面までの高さが相当あり、トーンアームと組み立てが非常に困難でしたがその点、MF-102SBはそれほどの高さもなく、しっかりした厚さ1.5ミリの鋼板でがっちりした作りで、回転切り替えも極めてスムーズです。

※DP⁻4500のプレーヤーのセットでプレーヤーが独立したものがDP-101。下記写真は当時の雑誌の切り抜きです。

DP101

※DP101

あえてMF-102SBの難点と言えばベルトの長さがフラッターの外周全部かけるので、20年くらい前は合うベルトがなかなか入手できず大変でした。

ダイレクトドライブ方式は故障が多い

1970年くらいから日本のお家芸であるDD(ダイレクトドライブ方式)が普及してきましたが故障が多いのが最大の難点です。私もDDの松下テクニックスSP⁻10が7万~8万の高価なプレーヤーを買いましたが、故障が続き4回もメーカー修理。そしてとうとう廃棄にいたりました。

低速で安定に回転するDDモーターは制御が難しいため電子制御が必要で、無数のトランジスタ、抵抗コンデンサー等が基盤に配置してあるので、よほど技術を持った人でない限りは故障の原因すらわかりません。よくある故障は高速回転になる不調です。まあ回転のバラつきもDDモーターの特有の故障と思います。

※この写真は1970年の雑誌広告です。

テクニックス広告

※テクニックス広告

その点、ベルトドライブ&アイドラドライブ(ゴムの円盤をモーター軸とプラッター外周の内側に接触させることによってプラッターを回す)のモーターは実にシンプルで、メンテナンスもコンデンサー1個か2個の交換とモーターの注油さえしっかりしておけば、30年以上は動きます。

私も他の古いベルトドライブのNG品を入手しましたが、ほとんどシャフトの清掃と進相コンデンサーの取り替えで、モーターの注油、場合によっては分解で修復しました。

ある著名なバイオリニストの話

著名なバイオリニストで知り合いにオーディオセットをそろえたくてプレーヤーとアンプとスピーカーだけセットしてくれと頼まれましたが、どうも音がキーンと高い感じで馴染めなかったそうです。そして原因をつきつめるとやはりDDモーターのせいでした。

そこで有名な高価な外国製のベルトドライブのプレイヤーを購入したところ、大変音に満足したという話もあります。この例からもベルトドライブの優位性がわかると思います。

最後に

古いオールドマニアは、ガラード、トーンレス、EMT(有名なモーター)は例外としても結構このモーターを愛用している方が多いと思います。不動でもその気になれば簡単に修復また、40センチのベルトも秋葉原の専門店で入手できます。

私もよくベルト無、モーター回転が不安定なもベルトドライブを入手し修理して動けるようにしましたが、それらは全て知人に譲渡いたしましたが、もう一度このモーターでモノラル盤を聞いてみようかなーと思うこともあります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オーディオ製品の出張無料査定!どうせならプロに高く売ろう!

家に処分したいオーディオはありませんか?そんな時は出張買取をおこなっている会社へ、査定依頼を出しましょう!

あなたの家が対応エリアかどうか?調べてみませんか?
↓↓↓↓↓↓↓↓


SNSでもご購読できます。

コメント

  1. もっちゃん より:

    初めまして、長兄より少し年少のオーディオマニアです。
    DENONDP3000やYAMAHA750GTを使っていましたが、やはりベルトドライブが欲しくなり、TEAC80Cをネットで落札したものの、どうしてもモーターの振動を拾ってしまうためモーターを分離して糸ドライブで使用しています。糸は、最初タコ糸を使用しましたが結び目が気になり、現在ケブラーを使用しています。しかし、はやり結び目が気になりMF-102SBか、TEACTN202を物色しています。オークションにはたまに出ても状態が悪かったり、高価すぎたりで中々です。
    この記事を見てから102SBをより欲しくなりました。もし情報がありましたらお知らせいただけると幸甚です。

    1. ヒデ より:

      もっちゃんさん、コメントありがとうございます。筆者の息子です。返信が遅れてすいません。父の返信を伝えますね!父は大変喜んでおります。「TEAC102SBモータ、現在もOLDマニアが使っているようです。軸の太さがあるので、回転が安定しているようです。ちなみにベルトは半折40センチです。現在も専門店で販売しています。また経年劣化による、モーターを支えるラバー、ゴム、クッション等、よい材料で工夫をしてやると振動は治ります。モーターの回路は電解コンデンサーの他に0.047マイクロFのコンデンサーを使っているので、回転不良の場合は、これを交換するとカンタンです。注油は基盤の二ヶ所から注油ですが、あまりやるとべたつきます。オイルの種類はいろいろあるので、工夫してくだいね。ダイレクトモーターははっきりしませんが、ダイレクトそのものが振動してカートリッジが振動を拾うかもしれません。本当のマニアはやはりベルトドライブ。故障も少なくよいようです。」以上が父のコメントです。また何かございましたら、お気軽にコメントくださいませ!息子より。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください